NLPは脳の取り扱い説明書と表現されるように、脳がどのように機能し、人の行動パターンを決めているのかを研究し、体系化したものです。
普段、私たちが意識しないような、脳の働きや特長を知ることで、これまでの”はまっていた”パターンから抜け出すことも容易になります。
ということで、3回に分けて、脳の3つの基本プログラムについてご紹介していきたいと思います。
今回は『空白の原則』についてです。
空白の原則

何かをしていて、あることがどうしても思い出せないことや、誰かに質問されて分からなかったときなどに、その答えが知りたくてうずうずした経験はないですか?
ささっとスマホを取り出して、検索。
なんだ、そういうことか!スッキリ。
そういうことって生活をしていると結構あったりします。
これには、脳の働きの特徴が関係していると脳科学では言われています。
脳は空白(問い)を避けられない

脳は、分からないという状態(空白)を嫌うといいます。
何か分からないことがあると、そのままにしておけない性質があり、潜在意識を総動員して答えになるものをさがすそうです。
脳内Google検索がフル活動ですね。
「あのバックがどうしても欲しいんだけど、どこで売っているのかしら?」
「絶対、数年後にはあの高級車を買って乗り回すんだ!」など、
(手に入れるための答えはどこ??)
強烈な欲求や不快感、強い問題意識があると、脳の潜在意識はさらに活発になり、空白を埋めようとするのだそうです。
確かに、何か気になることがあると、常に頭のどこかにその意識があったりしますね。
引き寄せの法則も同じ前提

「これを手に入れたい!!」「あの人に会いたい」と強く願っていれば、向こうの方から不思議とやってくるものだと、引き寄せの法則が数年前に大流行しましたね。
これも概念は同じで、
手に入れたい⇒入れるための方法は?
会いたい⇒会えるためには?
と、無意識に脳に問いかけているので、欲求が強ければ強いほど、脳はフル回転して、問いを解決する方法を常に探し続けます。

フォルクスワーゲンが欲しいなと思ったその日から、街中にフォルクスワーゲン車が増えたり、テレビのCMが流れたりします。
子どもを妊娠すると、ベビーカーを押す家族が同時期に増えます。
同級生がいっぱいだわと。
これは、実際に急に増えたわけではなく、気になったこと(空白)を埋めるために、脳が無意識的にリサーチを始めているからです。
たとえ、部屋にこもってごろごろしていても、テレビの中やネットの中にも無意識に問題を解決しようと脳は働き続けます。
そうすると、現状と違う行動をとるようになりますから、ほんの数ミリかもしれませんが、解決に向けて前進しますね。

強い思いを持ち続ける限り、脳は空白を埋めようとしますから、いつかは実現化していきますね。
これが引き寄せの法則の基本的な概念ではないかと思います。
なので、欲しいものがあれば、強く願うことは大事なんですね。
無意識のうちに手に入れる手段を脳が考えてくれているんですからありがたいことです。
なぜ空白を嫌うのか?

では、なぜ脳は空白を嫌うのでしょうか。
その理由は、安全・安心欲求と関係があるといわれています。
どういうことかというと、人(脳)は、自分がコントロールできていると感じている状況では安全・安心を感じることができます。
逆に、自由度の少ない、先行きがどうなるかわからない状況では不安を感じるものです。
新年度から新しい部署に配属されたときや、新しい役職に就いたときなど、ものすごくそわそわして、早くこの不快な状況から解放されたいと思った経験はないですか?

慣れた環境や仕事ならば、次に起こり得ることがある程度予測がつき、行動も自分でコントロールしていけます。
ですが、新しい環境では不測の事態が次々と起こり、次はどうしたらいいのかがなかなか読めないことも多いでしょう。
また、強靭なプロレスラーよりも、お化けや暗闇を恐れるのは、自分が把握しきれないものや状況のせいだからです。

プロレスラーの見た目は怖くても、関わり方次第では味方にもなってくれますから、コントロール感があります。
ではさらに掘り下げて、なぜ安心・安全を感じられないといけないかというと、脳の最大の目的は、『生命の維持』だからです。
これが何よりも最優先されるので、自分の身に危険が及ぶ可能性のある、コントロールの利かない状況を嫌い、避けようとする性質があるといいます。
まとめ
脳は生命維持という、最優先事項のために、空白(問い)を嫌い、無意識的に全力で解決しようと働いているのでした。
この脳の特性を活かしたものが、引き寄せの法則やコーチングと呼ばれるものだと思います。
普段の生活の中でも、なぜ自分が不安や不快を感じているのかを客観的に見られるようになるかもしれません。
また、欲しいものを手に入れる、目標を達成させるために、この特性をうまく使えば、より効果的に前進していけるのではないでしょうか。
ぜひ、ご活用いただけたらと思います。
次回は、脳の原則第二弾、『焦点化の法則』について解説していきたいと思います。
それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。