今回は脳の3つの原則のうちの2つ、「焦点化の法則」と「快・痛みの原則」について解説していきたいと思います。
これを知ることで、対人関係や仕事のパフォーマンスの向上に役立てることができるかと思います。
何となく知っていたことでも、なるほどそうだったのか!と再発見できることがあるかもしれません。
ぜひぜひ、人間力の向上にNLPの知識をご活用ください。
それではどうぞお読みください!
焦点化の法則
人の意識には、顕在意識と潜在意識があるといわれています。
顕在意識は性能の悪いパソコンのOSようなもので、人間が本来持っている能力の、3~5%ほどしか機能していないそうです。
顕在意識は、同時に2つ以上のことを処理するのが苦手であるという特徴があります。
作業画面を同時に2つ開けない感じです。
これは脳の働きに関係しているためで、脳の大前提として生命の維持というものがあります。
生きながらえるために、どうすればよいかを脳は常に考えています。
前回の記事でも書きましたが、脳は安全・安心欲求のために、コントロールできる状態を好む性質があります。
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脳内に情報が一気に溢れかえってしまって、情報処理に振り回されるよりかは、極力情報が少ない方がコントロールできる状態を作りやすいので、あえて2つ以上のことを同時に処理しようとしません。
なので、焦点をあてたものしか気づくことができず、見えないのが特徴です。
これを焦点化の法則といいます。
また、仮に脳が全ての情報をもれなく処理しようとすると、ものすごい量のエネルギーが消費されることになり、人間は一瞬にして餓死してしまうそうです。
なので、あえて脳は、焦点をあてたものだけを意識するようにしているのだそうです。
この特徴を知っていれば、他者理解にも繋がります。
「一つやったら、一つ忘れる」とか、「物を出しっぱなしでダメな子ね」など、
うっかりの物忘れって結構あるものです。
それは年齢関係なしに、誰でも起こり得ることなのです。
これは、AからBに意識が切り替わってしまったため、Aでやっていたことが意識に上がってこないために起こるのです。
ボケてきたのでも、怠慢でもなく、脳の特徴なのです。
ADHDの方で「物忘れがひどい」や「片付けが苦手」という傾向がみられる場合は、決して本人の怠けではなく、脳の焦点化が次々と切り替わるためだと考えられます。
そのことを知っていれば、そういった行動が見られても、関わり方は変わってくるのではないでしょうか。
他には、自分はあの人のことを熟知していると思っていても、ある側面しか見えていない可能性もあると考えられます。
焦点化してしまうのですから、意識して、見たいものしか見えていないことも往々にしてあります。
「あんたは、私の事なんてちっとも分かっていない!!」と言われないように、いろいろな側面から物事を見ることが必要なのかもしれません。
『無知の知』を自覚するということですね。
快・痛みの原則

脳は快を求めて、痛みを避けるという特徴があります。
快につながるような思考や行動をとる際や、痛みを避けるような思考や行動をとるときに、フル活動するそうです。
快とは、喜び・幸福
痛みとは、痛み 苦手な人、職種
などを指します。
同じ出来事でも、人によって快と捉えるか、痛みと捉えるかは違ってきます。
お客様からクレームがきたときに、「まただよ。最悪。もういや」と感じる人もいれば、
「クレーム処理大好き!この状況を逆転させて信頼を勝ち取ろう!」と考える人もいます。
そして、それを快か痛みか、どうとらえるかで、パフォーマンスの発揮具合が変わってきます。
痛みを避けるために、体の不調を起こしたり、会社に行けない理由を作り出したりと、避けるために全力で思考を働かせます。
これをコーチング用語では、クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)と言ったりします。
痛みを避けるために、いやいやながら無意識は超クリエイティブに創造している状態です。
本人にとっても、会社にとっても、望ましいパフォーマンスの発揮とは言い難いかもしれません。
どちらかと言えば、脳は本能的に快楽を求める傾向がありますから、物事を快にとらえられる方が、脳は高いレベルで活動してくれると考えられます。
仕事で成果を出したいのであれば、まずは物事の捉え方を意識してみるのもいいのかもしれませんね。
ワクワク・ウキウキを感じることで、本能的な脳のパフォーマンスを引き出すことができるのであれば、活用しない手はないですね。
まとめ
今回は脳の特徴、「焦点化の法則」と「快・痛みの原則」についてまとめてみました。
脳の仕組みや特徴を知ることで、対人との関わり方や、仕事でのパフォーマンスの出し方まで影響があるということでした。
知らずに行動するよりは、脳の仕組みを知って行動に移す方が、成功確率も上がるかと思います。
よければ、仕事や人間関係の構築にご活用ください。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。