カウンセリングの内容/ソマティック&内的家族システム療法

カウンセリングの内容

カウンセリングの内容について紹介させていただきます。

まず、初回のカウンセリングでは、お悩みの状況、身体の調子などについてヒアリングさせていただきます。

 

この際にある程度の内容は聴かせていただきますが、長時間にわたり根掘り葉掘り聴くことはしません。

 

後ほど説明させていただきますが、お悩みの内容にもよりますが、特にトラウマ体験が伴うエピソードであれば、より慎重な対応が重要であり、詳しく話していただくことで症状が悪化してしまうおそれがあるためです。

 

お客様の状態に合わせてセッションの内容は多少変わりますが、主に扱っている心理療法は、

内的家族療法(IFS)ソマティック(身体志向)によるカウンセリングです。

これらについて以下でご紹介いたします。

内的家族システム療法・パーツ心理学によるセラピー

内的家族システム療法(IFS)では、自分自身の中に、いくつもの独立した人格(パーツ)が存在すると考えます。

傷ついた人格や監視する人格、過干渉な人格などいくつもの人格によって今の自分自身が形成されています。

 

さまざまなパーツの意思決定や主張により、行動や思考が選択されていきます。

 

それらの人格(パーツ)に寄り添い、声を聴き、調和しながら、自分自身にとって最善の選択は何かを探していきます。

 

いうならば、これまで私たちは自分の人格は一つであると考えるのが普通であり、そのために自分の内面にあるさまざまな思いに蓋をして生きてきました。

 

そのために、自分では望んでいない対人関係や仕事上でのトラブルを引き起こしたり、身体の不調に悩まされることになっていると考えます。

 

身体を構成するすべての細胞、全ての部分をパーツととらえ、それぞれに意思があるという前提に立ち、自身のすべてを大切にして関わる。

 

それが内的家族システム療法の考え方であり、それぞれのパーツの声を聴いていくことを中心にカウンセリングを行っていきます。

ソマティック(身体志向)のセッションだからできること

身体、神経系の反応は、頭で考えているよりも素直に、ダイレクトに自分自身に教えてくれます。

学校に行きたくない朝に、お腹が痛くなったり、イライラを我慢しすぎてなぜか腰痛がひどくなったり。

日常の中でも、意識していないだけで、心の動きがダイレクトに身体に反映されていることはよくあることですよね。

 

当カウンセリングでは、言葉のやり取りや、情景をイメージした際に表れる微妙な身体の変化に着目し、本当は何を望んでいるのか、何を避けているのかなどを浮き彫りにし、よりよい解決策を見つけていきます。

 

オンラインでのカウンセリング中はキャリブレート(観察)が重要になりますので、映像をONにしていただけることが必要になります。

(音声のみ希望の場合は、別の療法によって対応させていただきますのでご安心ください。)

従来のカウンセリング

これまでのカウンセリングといえば、相談者さんの悩みをカウンセラーが寄り添って、ひたすら聴くというのがオーソドックスな方法でした。

これはアメリカのカウンセラー、カールロジャースの来談者中心療法の影響が大きいとされています。

 

傾聴自体は悪いことではなく、相談者さんとの信頼関係を築くうえで、当然必要になってくる関わりです。

 

私も心理療法をさまざまなところで学んできましたが、ただ聴くだけのカウンセリングの手法がメインといっても過言ではないくらい、どこもかしこも相談者さんに話させることが重要であると説いていました。

 

基本の”き”であることは間違いではないですが、それだけでは当然成り立ちません。

そして、相談者さんが永遠とペラペラ話し続けることには、大きなリスクもあります

 

私がそれを知ったのは、本格的にトラウマのケアを学び始めてからでした。

おそらく、世間一般のカウンセラーでも知らない方のほうが多いのではないでしょうか。

 

私も以前までは、相談者さんもたくさん話すことで、すっきりした感じだし、これはこれでありなのかなとも思っていました。

 

ですが、ズバリ言いますと、体験談をただひたすらしゃべらせ続けるのは、症状を悪化させる危険な行為です。

なぜなら、話すことにより、再体験、追体験をさせてしまうからです。

 

そして、過覚醒を引き起こし、翌日にもっとしんどくなってしまうことが起きてしまいます。

また、ずっと寄り添ってもらえることで一定の安心感を得られるため、カウンセラーへの依存性も生み出してしまうことになってしまうのです。

アメリカなどの心理医療先進国では

アメリカをはじめヨーロッパ諸国の心理分野の研究はずいぶんと進んでいます。

逆に、日本は30年は遅れていると言われています。

 

海外では、身体志向のカウンセリングがさかんに行われています。

日本ではSE(ソマティック・エクスペリエンス)、SP(センサリーモーター・サイコセラピー)、古くはハコミセラピーなどが、その界隈では有名です。

 

また、そこから派生していった身体志向のカウンセリングの手法は無数にあります。

 

ですが、最新といわれる情報は日本にはまだまだ少なく、ネットや本で得られる情報も限定的です。

また、それらを扱えるセラピスト、カウンセラーも限られており、まだまだ日本は心理後進国だと言わざるを得ません。

 

心理の世界では、10年周期で心理学の新しい概念や手法がアップデートされていくと言われていますから、日本でこれらが行き渡るころには、また別のものが主流になる可能性はあるかもしれませんね。

 

現在、海外においても身体志向、ソマティックな心理療法が比較的新しく、効果も実証されている心理スキルとされています。

トラウマケアは時間がかかります

ココハレではトラウマケアのカウンセリングを中心に行います。

 

トラウマを扱うカウンセリングでは、けっして派手な施術もしませんし、劇的な変化も起こしません。

いや、起こしてはいけないのです。

ここはすごく大事なことです。

 

私自身、トラウマを扱えるようになるまでは、浅めの悩みや目標達成のサポートを中心に行ってきましたが、一般的なカウンセリングの手法では、到底、トラウマをお持ちの相談者さんのケアはできないですし、より症状が悪化する恐れが大いにあります。

 

いわゆるぶり返しです。

ですから、カウンセリングを受けてさらに症状がひどくなる方が後を絶たないのです。

 

なので専門的な知識と繰り返しのトレーニングが必要になります。

 

ですが、世の中ではそんなことお構いなしでやりまくっていますけどね。

私もそうでしたが、知らないことは罪ですね。

 

正直、私もこのようなことをはじめから分かっていたわけではありませんが、トラウマを扱うには専門性が必須であり、じっくり、ゆっくり時間をかけてケアしていくことがとても重要になります。

 

そして、カウンセリングの最終的な目的は、相談者さんを依存的に通わせ続けることではなく、カウンセリングの必要が無くなる日がくるようにすることです。

その近道は、着実に一歩ずつ、進んでもいいし、後退してもいいんだけど、焦らずに、無理をせずにケアを行っていくことです。

 

劇的な方法にはそれなりの副作用もありますから、どうか焦らず、ゆっくり、じっくりケアをしていきましょうね。

それが心からの願いです。